施設側の過失が認められれば慰謝料などの損害賠償請求へと発展しかねません。「事故が起こらないよう」、そして万が一事故が起こったときにも施設側には非がないことを主張できるよう床に対する管理を行いましょう。
増える滑り事故
滑り転倒事故は深刻化している都市問題の一つと言え、進む高齢化社会がさらに拍車をかけていると言えるでしょう。
厚生労働省の発表では転倒などが主な原因で亡くなった人は、交通事故で亡くなった人の2倍に上っていて、ほとんどが、65歳以上のお年寄りで占められています。どうすれば転倒死を防げるのでしょうか。
この被害者の数は年々増加傾向にあり、この事態を深刻に受け止め、バリアフリー法や各都道府県条例でも床の滑りについて推奨値(C.S.R値)が記されるようになりました。
滑り止め加工後には、数値で確認!
その場所に応じた最善の工法を選択し防滑改修が完了しました。これで一安心!と思っていませんか?
うんうん、滑らなくなったし良かった!で済ませていませんか?防滑性は数値で確認でき、その数値を管理していくことが重要なのです。
どんな防滑工法でも大丈夫です。私たちは、全国どこへでも防滑改修後のC.S.R値測定に伺います。
数値化される危険
今では事故のあった現地で測定する事ができるので、事故状況を再現した正確な測定ができるようになっています。
本人の履いていた靴のせいなのか、それとも床材や建物の構造にあるのかどうか、雨など天候のせいなのか、管理方法は適切であったのか、滑り事故のそもそもの原因がどこにあるのかを測って調べることができるのです。つまり、滑って転んだのが必然なのか偶然なのか、誰であても転ぶ可能性があったのかということが数字で判断されるのです。
「滑りを数値化できる」とはどういう事かというと、危険の責任所在を明確にできるということです。「滑り=責任」は客観的に判断できるのです。
責任の順序
では、実際の事故現場ではどのような順で責任を問われるのでしょうか?
- 滑りやすいと分かっていた所有者(オーナー)
- 滑りやすいと気づいていた管理者(ビルメン)
- 滑りやすい材料を使用した設計者(ゼネコン)
- 滑りやすい材質を販売した製造者(メーカー)
- すべって転んだ利用者(ユーザー)
上記の順位は、過去の事例などを勘案して私たちの独断で付けたものですが、一たび事故が起これば、責任転嫁の図式があからさまになり、転倒事故の軽視、対応の悪さが浮き彫りとなります。お客様・ご利用者様の安全と共に、自身が被告にならない様「リスクの回避」を考えてみませんか。
滑りの原因
ひと昔前までは、滑り事故には加害者がいないとされ、そこには被害者のみが存在しました。しかし、滑りの原因を考えていくと、必ずしも本人のみの責任ではないと言うのが昨今の判例です。
滑りの原因を大きく分けると3つに分けられます。
- 構造的要因
スロープの傾斜角が強い 床材に適さない材質 滑りやすい材質 床材の摩耗 など
- 人的要因
足腰が弱っている スピードの出しすぎ 滑りやすい履物 他人との接触 など
- 環境的要因
雨が降ってきた 濡れていた 汚れていた など
判例を見る限り、たとえ滑りの原因が雨であったとしても、「雨が降ると滑りやすい」とわかっていながらも適切な対応をしていなかったとすれば、それは管理者の責任となります。この場合の「適切な対策」とは根本的解決を指すものであり、「雨水をモップで拭いた」という行為だけでは不十分とみなされるようです。
滑り止め工事あれこれ
では、どのような対策を講じるべきなのか?
代表的な滑り止め工法には下記のようなものがあります。
- 穴あけ工法(弊社マスターグリップ)
- エッジング処理(ショットブラスト工事)
- 塗膜処理(コーティング工事)
- テープ方式(ノンスリップテープ)
それぞれの工法に良いところがあり、施工できる床材、施工に向かない場所があります。どんな場面にも万能な滑り止め施工は残念ながら存在しません。また、メンテナンスを全く必要としない滑り止めもありません。現場の状況や管理方法に応じた適切な選択が必要とされています。
最後に・・・
私たちは滑り事故防止対策として防滑改修マスターグリップを提供してきました。
当工法は、滑りの原因となる水や油などの液体を逆に利用してしまうところに秘密があります。特殊な溶剤を使用することで約7マイクロメートルと言う肉眼では確認できない穴を床材表面に無数に開けることで表面張力効果を増加させて接地面が滑りにくくなるのです。作業日数も溶剤を塗る作業なので、面積にもよりますが大抵1日で終了するため、コストも抑えられます。
しかし、防滑方法はどんな方法でも良いのです。結果的に危ないかもしれない、困っている人がいるかもしれないとの【気づき】が、何らかの改善策へとつながり、1人でも多くの転倒被害者が救われることを願っています。