C.S.R値とは・試験のお申込み・測定事例
JIS A 1454:2022より、試験の目的を明確にするため,床材の“滑り性試験について”から“滑り抵抗係数を試験によって求め,床材の滑りにくさを試験する方法”に変更されました。
C.S.R(滑り抵抗係数)について
C.S.R(Coefficient of Slip Resistance)は、東京工業大学で開発された床材の滑り抵抗を数値化する測定方法です。人が実際に歩いたときの感覚を忠実に再現できる指標として評価されています。
■法令・ガイドラインへの採用
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2009年:東京都が「東京都福祉のまちづくり条例」において、C.S.R値を床の滑り抵抗の指標として正式に採用。
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2012年:国土交通省が「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律 (バリアフリー法)」のガイドラインを改訂し、C.S.R値を指標として全国的に位置付け。
■現在の活用状況
現在では、自治体、製造者、販売者、施工者、施設管理者が、C.S.R値を床の安全性の判断基準として採用しています。滑りによる転倒事故の防止を目的として、様々な場面で測定・活用されています。
■なぜC.S.R値が重要か
国土交通省の各種ガイドラインでは、「床面は滑りにくい仕上げとすること」と明記されています。しかし、「滑りにくさ」は主観的な感覚だけでは評価が難しく、客観的な根拠としてC.S.R値の測定が必要となります。
C.S.R値は、床の滑り抵抗を科学的に数値化することで、転倒リスクの「見える化」を実現。施設の安全性を確保する上で欠かせない評価指標となっています。
※水濡れした浴室床等を素足で歩行する場合を想定した評価指標は「CSR・B値▶」となります。
BPNとC.S.Rの違いについて・・・
BPN(British Pendulum Number)とは、舗装道路に関して車両がブレーキをかけた際、適切な距離内で停止できるように、表面の混合物が十分な摩擦能力を示す指標です。混合物やセメントコンクリートで舗装された路面の滑り抵抗性を測定する方法の1つであり、英国の道路研究所で開発されたポータブル・スキッド・レジスタンス・テスターによって測定されます。自動車の走行速度30マイル(約50km)/hの横滑り摩擦係数と相関があるとされ、規格としてはASTM E303及び舗装施工便覧等に規定されています。
BPN値は簡易的に測定できるため、自治体の施設整備マニュアルなどでも採用されることがありますが、測定方法、基準値ともにISO規格やJISには盛り込まれていません。また、車道に対する性能試験であるため、C.S.R値との相関性は確認されていません。
快適な歩行環境の評価と対策を講じるには「C.S.R値」で管理するする事が重要となります。
C.S.R測定のご依頼方法
製品試験、サンプル試験、工事、施設管理、ペットの滑りなど、様々な条件や場所で床材の滑り性試験(C.S.R測定)サービスを提供しています。
私たちは、数千枚の試料のC.S.R測定と、全国各地でのC.S.R測定経験があります。豊富な知識と経験により、お客様のご要望にお応えします。
ご不明な点やご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
床材の滑り性試験(C.S.R値測定)事例
製造者・施工者・管理者としての安心と責任
現在、製造者、施工者、施設管理者の方々は、バリアフリー法ガイドラインなどの推奨値を上回る商品開発や施設管理を当たり前に行うようになっています。その理由の1つには、転倒事故が起きた場合に係争に至るケースが増加しているという事実があります。
したがって、C.S.R 測定を「床面の健康診断」と捉え、定期的に実施することは非常に有効です。C.S.R 値を継続して管理することで、利用者の安全性を担保するとともに、施設管理者や施工業者が転倒事故発生時に問われうる法的責任を軽減する可能性を高めることができます。

C.S.R測定の重要性が何となく分かりました!

万が一転倒事故が起きた際にC.S.R値を管理していないと・・・
管理者責任・製造者責任・善管注意義務違反等に問われる可能性もあります。

C.S.R値を管理することは利用者の安全をまもるだけで無く、万が一の際には管理者等が問われるリスクを回避する事になりますね!

はい、そのとおりです! 【みんなをまもる】事になるのです。
バリアフリー法ガイドライン
ー 抜粋 ー
・床の材料及び仕上げは床の使用環境を考慮した上で、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるものとする。
(1)履物着用の場合の滑り
① 評価指標
・床の滑りの指標として、JISA 1454(高分子系張り床材試験方法)に定める床材の滑り性試験によって測定される滑り抵抗係数(C.S.R)を用いる。
② 評価方法
・床の材料・仕上げは、当該部位の使用条件を勘案した上で、表-1の滑り抵抗係数の推奨値(案)を参考にして適切な材料・仕上げとすることが望ましい。
■表-1 履物着用の場合の滑り 日本建築学会※の推奨値(案)
| 床の種類 | 単位空間等 | 推奨値(案) |
|---|---|---|
| 履物を履いて動作する床、路面 | 敷地内の通路、建築物の出入口、 屋内の通路、階段の踏面・踊場、 便所・洗面所の床 | C.S.R=0.4 以上 |
| 傾斜路(傾斜角:θ) | C.S.R-sinθ=0.4 以上 | |
| 客室の床 | C.S.R=0.3 以上 |
(2) 素足の場合の滑り(※ここでは大量の水や石鹸水などがかかる床を想定)
① 評価指標
・床の滑りの指標として、JIS A 1509-12(陶磁器質タイル試験方法-第12部:耐滑り性試験方法)に定める耐滑り性試験方法によって測定される素足の場合の滑り抵抗値(C.S.R・B)を用いる。
② 評価方法
・床の材料・仕上げは、当該部位の使用条件を勘案した上で、表-2の滑り抵抗値の推奨値(案)を参考にして適切な材料・仕上げとすることが望ましい。
留意点:大量の水や石鹸水などがかかる床以外における素足の場合の滑り
・一般に、素足で歩く可能性はあるが大量の水や石鹸水などがかからない床では、素足より靴下の方が滑りやすい場合が多いことから、すべり片を靴下としたC.S.R値で安全側に評価できる可能性が高い。
■表-2 素足の場合の滑り 日本建築学会※の推奨値(案)
| 床の種類 | 単位空間等 | 推奨値(案) |
|---|---|---|
| 素足で動作し大量の水や石鹸水 などがかかる床 | 浴室(大浴場)、プールサイド シャワー室・更衣室の床 | C.S.R・B=0.7 以上 |
| 客室の浴室・シャワー室の床 | C.S.R・B =0.6 以上 |
(3)滑りの差
・突然滑り抵抗が変化すると滑ったりつまずいたりする危険が大きいため、同一の床において、滑り抵抗に大きな差がある材料の複合使用は避けることが望ましい。
バリアフリー・ユニバーサルデザイン(国土交通省HP)
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/index.html
C.S.R/C.S.R・Bについての記載がある書籍

国土交通省
高齢者、障害者等の円滑な移動に配慮した建築設計標準(2025年5月改正版)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutakukentiku_house_fr_000049.html

東京都
東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアル(2023年10月改定版)
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kiban/machizukuri/manual05.html
C.S.R値の測定方法について

私たちは客観的な立場でC.S.R(すべり抵抗係数)を測定し、報告書(見本PDF)として書面、若しくは電子データでお届けいたします。
床・路面のすべり測定については、JIS A 1454に規定される試験機「O-Y・PSM」と同等の試験機として使用可能な携帯型滑り測定機「ONO・PPSM」(JIS A 1454:2010 解説 6 a)に記載) で行い、測定値をC.S.R’と表記します。これはどちらの測定機を用いたのかを便宜上区別するもので、「O-Y・PSM」=C.S.R、「ONO・PPSM」=C.S.R’としています。C.S.R’値=C.S.Rとなります。
また、弊社の C.S.R 測定では、特段のご指定がない限り、以下の条件で実施いたします:
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乾燥・清掃後の状態
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湿潤状態(水道水を用いた介在物あり)
ご希望があれば、ダスト/水+ダスト/油散布等の測定も行っておりますので詳細ページより ご確認ください。
※ダストを用いて試験を行った場合には、測定対象箇所に微細な傷が残る事をご了承ください。
注)すべり抵抗試験(C.S.R値)について、客観的にご指定場所、試料を測定するものであり、施設や床材の安全・危険の評価はいたしません。
主な床(路面)のすべり測定試験機

ONO・PPSM測定機
【すべり抵係数(C.S.R)】
数値表示単位:C.S.R’
床面と接触する面積が30c㎡のすべり片に、20㎏の荷重をかけて斜め上に引っ張り、滑り抵抗係数を測定する。

スキッド レジスタンス テスター
【動摩擦係数(DCOF)】
数値表示単位:BPN
振り子の先にゴム製のスライダーを取り付け、振り下ろされたときのスライダーが、測定面を通過するときの抵抗を読み取る。

スリップメーター測定機
【静摩擦係数(SCOF)】
数値表示単位:μs
測定面に接触子を介して鉛直方向から荷重を加え徐々に加圧シャフトを傾け、接触子が滑り始めた角度をθとして摩擦係数μsを表示。
現在、すべり抵抗試験にはさまざまな評価方法がありますが、歩行時のすべりを扱う分野では、国土交通省が C.S.R 値(滑り抵抗係数)を採用しており、多くの自治体でもこの C.S.R 値が基準として用いられています。弊社でも、すべり測定においては C.S.R 値のみを取り扱っています。
近年、「滑り事故」が社会問題化しており、その原因究明に向けて各方面で研究が進められています。しかしながら、歩行者の転倒リスクを定量化する “滑り危険度” の統一的な数値基準は、いまだに確立されていません。国際的に見ても、意見が分かれている分野です。
一般に「スリップ(滑る現象)」は、大きく次の2つの類型に分けられると考えられます:
- 急激に制御不能となる滑り
- 凍結した坂道で車が登れないような滑り/摩擦不足
人間の歩行に適用すると、踏み込み足で滑るか、蹴り足で滑るかという違いに対応できます。すなわち、「動こうとする物体」と「止まろうとする物体」では、必要となる摩擦抵抗の基準値が異なるわけです。
さらに、滑りは単に床面の材質・仕上げだけで決まるものではなく、以下のような条件に強く依存します:
- 速度、質量、接地面積、進入角度/方向、乾湿状態(濡れ、凍結、水膜など)、汚れ、異物の有無
このように、滑りを数値だけで安全性を評価することには本質的な難しさがあります。
ペットの安全性からみたすべりの評価
■小型犬の動作に必要な床のすべり抵抗係数(C.S.R・D’)
愛犬家の皆様が心配する床のすべりによる骨折・脱臼・股関節形成不全など・・・ 
フローリング等のすべり抵抗値を、現地に伺っての測定や材料段階での測定も受け付けております。
詳細につきましては、お気軽にお問合せください。
C.S.R・D’が0.676以上の床では99.9%の小型犬が支障なく動作できるという研究結果が発表されています。

読んで後悔? 読まずに後悔?
今では事故のあった現地で事故状況を再現した正確な測定ができるようになっています。「滑りを数値化できる」とは、危険の責任所在を明確にできるということです。
「滑り=責任」は客観的に判断できるのです。
「事故が起こらないよう」、そして万が一事故が起こったときにも施設側には非がないことを主張できるよう床に対する管理を行いましょう。






